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ダムを撤去した人たち
「石を投げたらアユに当たる」と言われた球磨(くま)川(熊本県)。1955年、電力不足を補うための水力発電専用ダム「荒瀬ダム」(※)をはじめ、3つのダムと2つの堰が造られたことで、水質がみるみる悪化した。漁獲量も大きく減り、ダム放流時の水害や振動の被害、悪臭などに悩まされた住民は、長い年月にわたってダムの撤去運動を展開してきた。その結果、02年に荒瀬ダムの撤去が決定。今年3月に国内初の本格的なダム撤去工事が完了した。
その後、球磨川では生態系が徐々に復活。50数年ぶりにホタルを確認、漁獲量も一部改善する一方、上流にまだ残されているダムの影響で流域全体が再生したとは言いづらい現状もある。
つる詳子さん(「豊かな球磨川をとりもどす会」事務局長)に「復活する球磨川の生態系」について、溝口隼平さん(「リボーン」代表、ダム撤去の研究者)に「再生した自然を活かす起業」について聞いた。
公共インフラの必要性を見直し、自然の恵みを楽しむ、豊かな暮らしを再創造したい。
※ 建設当時、荒瀬ダムは県内の電力需要を16%ほど担っていたが、02年には0.7%まで低下。撤去には水利権(流水を排他的・継続的に使用する権利)の更新という要因も重なった。
川にダムを造ること=人間の血管を遮ること
ダム撤去で再生した球磨川
撤去運動30年、つる詳子さん
「昔の川よりきれいになった」と言うのが夢
ダム撤去は人や川、社会との“もやい直し”
行動する研究者、溝口隼平さん
〈コラム〉開発された場所を“逆開発”
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