最新号・
バックナンバー

No.347

ダムを撤去した人たち

「石を投げたらアユに当たる」と言われた球磨(くま)川(熊本県)。1955年、電力不足を補うための水力発電専用ダム「荒瀬ダム」(※)をはじめ、3つのダムと2つの堰が造られたことで、水質がみるみる悪化した。漁獲量も大きく減り、ダム放流時の水害や振動の被害、悪臭などに悩まされた住民は、長い年月にわたってダムの撤去運動を展開してきた。その結果、02年に荒瀬ダムの撤去が決定。今年3月に国内初の本格的なダム撤去工事が完了した。
その後、球磨川では生態系が徐々に復活。50数年ぶりにホタルを確認、漁獲量も一部改善する一方、上流にまだ残されているダムの影響で流域全体が再生したとは言いづらい現状もある。
つる詳子さん(「豊かな球磨川をとりもどす会」事務局長)に「復活する球磨川の生態系」について、溝口隼平さん(「リボーン」代表、ダム撤去の研究者)に「再生した自然を活かす起業」について聞いた。
公共インフラの必要性を見直し、自然の恵みを楽しむ、豊かな暮らしを再創造したい。

※ 建設当時、荒瀬ダムは県内の電力需要を16%ほど担っていたが、02年には0.7%まで低下。撤去には水利権(流水を排他的・継続的に使用する権利)の更新という要因も重なった。

川にダムを造ること=人間の血管を遮ること
ダム撤去で再生した球磨川
撤去運動30年、つる詳子さん

「昔の川よりきれいになった」と言うのが夢
ダム撤去は人や川、社会との“もやい直し”
行動する研究者、溝口隼平さん

〈コラム〉開発された場所を“逆開発”
駅前のアスファルト剥がす、商店街のアーケード撤去

TOP INTERVIEW

スペシャルインタビュー エルヴィス・コステロ
1977年にデビューし、パンクロック、ポップス、ジャズ、はたまたクラシックやヒップホップとのコラボレーションまで、エルヴィス・コステロの世界はとどまることを知りません。日本の音楽界にも大きな影響を与えてきたコステロが、10月に5年ぶりの新作アルバム『ルック・ナウ』をリリースしました。
リレーインタビュー・私の分岐点北尾 トロさん

国際記事

ブラジル、マリエル・フランコ市議会議員 軍警察による市民殺害を批判し、暗殺される
国や権力に関する問題を告発した人間が、殺害される。直近ではサウジアラビア人記者の暗殺事件が記憶に新しいですが、3月にはブラジル・リオデジャネイロ市議会議員で、軍警察による市民への暴力を訴えてきたマリエル・フランコが射殺されました。ブラジルのストリートペーパー『Ocas』が入手した、生前の未公開インタビューをお届けします。
買いものからプラスチックごみをなくそう ドイツ、無包装の 「パッケージフリーショップ」
海岸に打ち上げられたクジラの腹の中に、大量のプラスチックごみが入っていた――。そんなショッキングなニュースが今年に入ってから世界のあちこちで報じられています。そんな中、プラスチック包装のない「パッケージフリーショップ」がドイツで広がりを見せています。
民主主義を学ぶコスタリカの子どもたち 大統領選同日にも子ども模擬選挙
WORLD STREET NEWS 世界短信

国内記事

ワンダフルライフ:金魚の骨格標本をつくる人になった―― 阿久津 淳子さん
国内でも珍しい金魚の骨格標本を作っている阿久津淳子さん。金魚の飼育場兼作業場を訪ね、金魚との出合いや金魚にかかわる多様な活動、骨格標本に込めた思いを聞きました。

連載記事

被災地から
〈シリーズ〉原発海外避難①―― 子どもたちがネットで調べ、台湾へ避難を決めた
浜矩子の新ストリート・エコノミクス
―― 同じビッグテック狩りの異なる目的
コミック マムアンちゃん
―― ウィスット・ポンニミット
ホームレス人生相談 × 枝元なほみの悩みに効く料理
友達と離れるのが寂しい ☆アンチョビポテト&ディップ・ポテト☆
宇宙・地球・人間 池内了の市民科学メガネ
―― 異性を前にすると緊張する鳥

バックナンバー

バックナンバーも購入できます。販売者におたずねください

『自然 』に関連したバックナンバー

『再生 』に関連したバックナンバー

『災害 』に関連したバックナンバー

『川 』に関連したバックナンバー

バックナンバーへ

メールで更新通知を受け取る