ビッグイシュー日本とは

ビッグイシューは市民が市民自身で仕事、「働く場」をつくる試みです。2003年9月、質の高い雑誌をつくりホームレスの人の独占販売事業とすることで、ホームレス問題の解決に挑戦しました。ホームレスの人の救済(チャリティ)ではなく、仕事を提供し自立を応援する事業です。ビッグイシューの原型は1991年にロンドンで生まれました。

詳しくは販売のしくみをご覧ください。

コンセプトと編集方針
創刊の背景
国際ネットワーク
販売のしくみ

市民メディアをつくる―ビッグイシューのしごと

1.市民が自分で仕事をつくる社会的企業

社会的企業とは、ビジネスの手法で社会問題の解決にチャレンジする企業のことです。最も解決が難しいと思われていたホームレス問題ですが、野宿をしているホームレスの人でも6割は働いており、3割の人は働いて自立したいと思っています。ビッグイシュー販売者となった人は1冊350円の雑誌を売れば、半分以上の180円を収入とできる、ビジネスパートナー、代理店主、自営業者となります。
現在、114人が販売、これまでの登録者数は延1,728人、卒業者は189人となっています。また、スタッフは29人(フル16人、パート13人)となっています。(17年3月末)

2.100%失敗の声を乗りこえ約12億円の収入を提供

創刊前、ビッグイシュー日本は100%失敗するといわれました。日本では、

  1. 若者の活字離れ、
  2. 雑誌の路上販売文化がない、
  3. 優れたフリーペーパーが多く有料では買ってもらえない、
  4. ホームレスの人からは買わない、

という四重苦が、その理由でした。創刊から14年弱、多くの市民とともに、この常識に挑戦し、累計773万冊を売り、ホームレスの人に11億5,253万円の収入を提供しました。(2017年6月末現在)

3.雑誌販売の仕事、さわやかな街角をつくる

ビッグイシュー販売者には、制服、マニュアルはありません。マニュアルではない自然な心を込めた「ありがとう」がさわやかな街角コミュニティをつくっている、といわれています。また、販売者の姿に励まされる、という声もよく寄せられます。
また、創刊10周年にはその当時の販売者自らが話し合って「販売の心得」を作りました。

販売の心得

私たちは住む家を失ってしまいましたが、ビッグイシューを販売することで、もう一度立ち上がって、住居を借りて、就業し、自立できるようにがんばっています。私たち販売者は応援してくださるお客さまの期待と信頼にこたえるよう、以下の7ヵ条を心がけて仕事(販売)をします。

  1. 自分で販売時間を決め、その時間には必ず販売します。
  2. お客さまに気持ちよく買っていただけるよう、いつも身だしなみをととのえます。
  3. 自分の売り場を大切にします。このため、売り場のごみ拾いや、周辺で仕事をする方々とお互い心地よく仕事ができるように努めます。
  4. お客さまへは心をこめて接客し、道行く人へは朝夕のあいさつや会釈などをします。
  5. 半歩先の販売や仕事の目標を自分で決めて、もつようにします。
  6. いつも街角で働く者として、必要に応じて道案内や身体の不自由な人の手助けをするなど、町を居心地よくするよう努力します。
  7. 路上は人々が出会う公共空間。さわやかな街角の風景となれるよう、誇りをもって仕事をします。

※「販売の心得」については創刊10周年記念の222号「今月の人」で取り上げています。

4.市民メディアとしての雑誌『ビッグイシュー日本』

雑誌『ビッグイシュー日本』はすべての人が生きやすい社会、特に若者が希望をもって生きられる社会をつくる雑誌。率直さと楽しさを合わせ持つ「今を生きる市民」の雑誌です。
そこでは、「生きていくのに本当に必要なこと」が取り上げられ、路上(販売者)の目線を持ち、読後「希望をもって」社会に関われる「参加型の雑誌」です。

2015年秋から販売者のいない市区町村でも読んでいただけるよう定期(通信)購読制度も始めています。野宿生活者の減少に伴い、販売者が減り、雑誌販売冊数も減っています。最近、再び赤字も増えつつありますが、路上販売と定期購読の両輪で立ち向かいたいと考えています。

5.自助型の応援、認定NPO法人ビッグイシュー基金

さらに販売者の自立のため認定NPO法人ビッグイシュー基金(2007年9月設立)と協力し、市民が市民であるホームレスの人をサポートする“再チャレンジ”応援事業を行っています。

NPO法人の基金は、「①社会とのつながりを回復できる生活自立や就業応援と生きる喜びを感じられるスポーツ・文化活動、②ホームレス問題の解決や予防についての政策提言、③市民が社会を変える市民参加の機会を提供」など3つの柱で応援事業を行っています。

たとえば、自分のアパートを確保する前に住民票などの必要な書類を整えたり、生活訓練をするための場として、期間限定で入居できる「ステップハウス」を試験的に運用しています。また、人とのつながりや人生を楽しむ感覚を取り戻すために、スポーツ・文化活動の場を提供しています。
これらを通して、当事者の居場所となり、当事者自らが発信できる機会をつくります。

ステップハウス
(詳細はビッグイシュー基金サイトにて)

6.深まる格差と貧困の問題解決へのチャレンジ

今、野宿者は減っていますが、路上で見えない若者ホームレスの人が増えています。ビッグイシュー日本版の創刊号の特集は「今、若者に仕事がない」(2003年9月)でした。ビッグイシューでも、2007年秋の世界経済危機後、50~60代が中心だった販売者の年齢が若くなり、30代、40代の人が増え、20代の若者もいます。一方、大卒者の就職率は76.1%(2017年)、3年後に30%以上が離職、非正規雇用者は2,023万人、37.5%(2016年)と過去最高となっています。

ビッグイシューは、若者を使い捨てにしない、ホームレスにしない社会、若者が喜んで社会に参加できる未来を願って活動をしてきました。今後も、基金とともに、若者の困難、住宅、ギャンブル依存症、新たな仕事づくり(シビックエコノミー)などの問題への政策提案を続けます。
そして、ホームレスの人を中心に、社会から排除されやすい生活に困窮する人々、生きるのに困難を抱える人々とともに活動を続けます。