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No.336

米のタネは誰のもの?

初夏、田植えを終えた水田の風景が美しい。イネは新生代(約6500万年前)の初め、オーストラリアからパプアニューギニアあたりで生まれたと言われる。日本では、岡山県の貝塚から約6千年前のイネ科植物の細胞(プラント・オパール)が見つかり、縄文時代には最初の稲作が始まったという。
戦後、日本のイネのタネは「種子法」(※)で後世に残す仕組みが作られた。各地で気候風土に合った奨励品種を選定、おおもとのタネ「原原種」を生産、それを増殖し「原種」生産、さらに採種農家による増産を経て、4年目に一般農家に届けられる。
ところが、今年4月「種子法」が廃止され、「農業競争力強化支援法案」では公的機関で得た知見の民間企業等への提供促進が謳われた。いま世界では種子企業がタネを独占しつつあり、中南米をはじめ世界で反対運動が起こっている。
タネは人類の共有財、米は私たちの主食。その原点の営みを茨城県農業研究所による原原種の植え付け現場と、種場農協のJA水戸を訪ねて取材。また、印鑰智哉さんに世界の種子事情、枝元なほみさんには「日本の種子(たね)を守る会」などについて聞いた。

※主要農作物種子法。食料自給と食料安全保障を願って、主要農産物(稲、大麦、はだか麦、小麦、大豆)の優良種子を確保するために、都道府県に人材や施設の維持を義務づけた法律。1952年成定、2018年4月廃止。

こうして作る、イネのおおもと。
タネの「原原種」
茨城県農業総合センター 農業研究所

いまや国産100%のタネは米だけ
次世代にタネや農法を残せるのか?
JA水戸 八木岡 努さん

7割弱、進む企業による種子独占
まだ、私たちには選択の余地がある
印鑰 智哉さん

タネってすべての命の源
枝元なほみさんに聞く。お米とタネへの思い

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