販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

大阪『ビッグイシュー日本版』販売者 うえださん

お客さんとのWin-Winな感じが好き
雑誌販売を通して人とかかわる楽しさを知った

大坂『ビッグイシュー日本』販売者 うえださん

40歳を過ぎた頃、ある日突然、会社に行けなくなったんです。仕事の悩みとか人間関係とか何か決定的なことがあったわけではなく、身体の電池が切れたみたいに動けなくなりました」
 そう話すのは、大阪のJR茨木駅西口で販売するうえださん(57歳)。兵庫県南部の出身で、国立大学で数学を学んだ後、当時先駆けだったIT企業に就職。システムエンジニアとしてバリバリ活躍して、30代では多くの部下を抱えるリーダーも任されていたが、理由なき身体の異変にどうにもならなかったという。
「40代の間は休職と復職を繰り返していましたが、何かのストッパーがかかったみたいにパフォーマンスが上がらないので、もう辞めようって。その頃には働く意欲もなくなっていて、このまま人生終わってもいいかなと思っていましたね」
 その間には、離婚も経験。そして、54歳の時にはいよいよ貯金も底をついて路上生活へ。そんな中で出合ったのがビッグイシュ...

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Photos:木下良洋

(Photoキャプション)

JR茨木駅西口を出たあたりで販売中

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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