販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『ビッグイシュー・オーストラリア』販売者 リン
親友と呼べるようなお得意さんもできた
詩集を出版、絵を描いてオンラインで販売も

私はシドニー生まれ。8歳の時にクイーンズランドに、11歳の時にはニューキャッスルに移り住みました。今もこの街でビッグイシューの販売をしています。
兄弟はオーストラリア西部に住んでいますが、もう連絡を取っていませんね。親の違うきょうだいも何人かいますが、もはや誰とも話をしていません。私は連絡を取りたいのですが……いろいろと複雑なんです。
幼い頃はよくクラスメートにからかわれていたので、学校は好きではありませんでした。だけど、父や祖母のいる家から逃れられるという意味では、学校に行くことで助かっていた面もあります。そんな中で、高校も卒業したんですよ。両親からは「職が見つからないのなら学校に行きなさい」って言われていたのですが、当時はどうやって仕事を見つけたらいいのか見当もつきませんでした。今思えばうつ病ともいえる状態でしたが、それすらもよくわかっていませんでした。つらい時期でしたね。
高校...

Text:Anastasia Safioleas, The Big Issue Australia
シドニーの近隣都市、ニューキャッスルのショッピングストリートとスーパーの前で販売するリン
Photo: Simone De Peak
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

426 号(2022/03/01発売)
特集海洋放出考 ふくしまの11年
スペシャルインタビュー:ピーター・ディンクレイジ