販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

セルビア『リツェウリツェ』販売者 デヴィッド・ヤンゴヴィッチ

就業のため、母国チュニジアから欧州へ
いま、母や3人の子どもに仕送りしながら充実の日々

セルビア『リツェウリツェ』販売者 デヴィッド・ヤンゴヴィッチ

子どもの時は楽しい思い出ばかりで、(近隣国の)クロアチアに旅行した時はいろいろなところを巡りました。最初の仕事はハンバーガーショップの店員。まだ中等学校のホスピタリティコースに通っていた頃です(※)。勉強と仕事の両立はきつかったけど、自分でお金を稼げるのはすばらしい気分でした。
 セルビアの首都・ベオグラード郊外の家に母親と住んでいましたが、ある時から金銭管理がうまくいかなくなり、生活費が払えなくなってしまったんです。しょうがなく僕は若者向けの施設に、母はケアハウスに入り、別々に暮らすことになりました。施設にはさまざまな境遇のいろんな性格の人がいて、決して居心地のいいところではありませんでしたね。
 結果的に9年そこで暮らしましたが、一番つらかったのは、誰からも電話がかかってこなかったことです。電話をくれるような友人や家族が外にいなかったので、かけるのはいつも自分から。けれど、人に助けを求...

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Photo: Sara Ristić

Text:Milica Terzić, Liceulice/INSP

(写真キャプション)

花が好きだというデヴィッド・ヤンコヴィッチ。本人たっての希望で、撮影は花屋で行われた


販売場所の「ユースセンター」は、若者向けのアートイベントや文化活動の拠点 Photo: Baloncici / Shutterstock.com

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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