販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
英国『ビッグイシュー・ノース』販売者 ルイス
雑誌販売、お客さんとの語らい楽しみ
くず鉄集めをビジネスにして、いずれは子どももほしい

イングランド北西部のプレストンで、ルイス(36歳)は手押し車を引きながら小道に入っていく。脇には飼い犬のジョージー。マリンリゾートもある町ライサムで『ビッグイシュー・ノース』を販売していない日は、ルイスはこうやって金属くずを集めている。「雑誌販売の仕事ではお客さんとの語らいが楽しみで、くず鉄集めはスリルを感じることができる。両方とも楽しんでいるよ」
10代の後半からくず鉄集めを始めたというルイス。「道端に落ちている缶だって数ペンスにはなるんだから、バカにはできないよ」と話す。今ではルイスが収集に来ることを知った近所の人たちが不要品を出してくれているが、今朝はなんと使い古された車が2台もあった。
今借りている赤レンガの家には、譲りうけた本に服、靴などが所狭しと並ぶ。「就職用の靴が必要」というご用命があれば、他の人に無料で譲ることもあるという。
この界隈で育ったルイス。初めて路上生活を経...


(写真キャプション)
不要品を出してくれた住民と話すルイス
Text:Christian Lisseman, The Big Issue North
Photos: Rebecca Luptonl
(雑誌情報)
『ビッグイシュー・ノース』
1冊の値段/3ポンド
(そのうち1.5ポンドが販売者の収入に)
発行頻度/週刊
販売場所/マンチェスター、リバプール、シェフィールドなどイングランド北部
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

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