販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

スウェーデン『ファクトム』販売者 デシスラヴァ・トロフ

物乞いしていた時の羞恥心、今では感じずに済む
母国で暮らす3人の子どもたちが人生の宝物

スウェーデン『ファクトム』販売者 デシスラヴァ・トロフ

 スウェーデン南西部の町ユングスキーレにあるスーパーの前で、デシスラヴァ・トロフが『ファクトム』誌を販売し始めてから数ヵ月が経った。
「この雑誌を販売する前は、6年間も物乞いをしていたんです。幸いにも多くの人によくしてもらったけど、恥ずかしかった」とトロフは言う。この場所で同誌を販売していたルーマニア人男性がいつしか姿を見せなくなり、「もしかしたら代わりに自分が販売できるかもしれないと思った」と話す。「夫のニコラとも話して、挑戦してみようということになったんです」
 1度目の面接ではスウェーデン語がうまく話せず、思いを伝えきれなかった。2度目には、自分の目指す目標をよりうまく説明できたという。「スタッフに、ユングスキーレでぜひ『ファクトム』を販売したいって話したんです。今では夫も(さらに南部に位置する)メンダールで販売している。物乞いしていた時に感じていた羞恥心を、今では感じずに済んでいま...

続きは、本誌をご覧ください

Text:Desislava Torov, Faktum/INSP/編集部

(写真キャプション&クレジット)
全国チェーン、ICAスーパーの前で販売するデシスラヴァ・トロフ
Photo: Courtesy of Faktum

(雑誌情報)
『Faktum』
1冊の値段/80スウェーデン・クローナ(そのうち半分が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ヨーテボリなど、イェータランド県の数都市

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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