販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

ドイツ『フィフティ・フィフティ』 販売者 ルドルフ・ドルシュケ

僕は“ノードシュトラーセ・ファミリー”の一員 孤立する人たちの話に耳を傾けながら 

ドイツ『フィフティ・フィフティ』 販売者 ルドルフ・ドルシュケ

ルドルフ・ドルシュケはお客さんから“ルディ”と親しまれ、デュッセルドルフのノードシュトラーセ(通り)で24年間『フィフティ・フィフティ』の販売を続けている。「ここに僕がまだ立っているか、賭けに興じる人もいるんだよ」とルディはおかしそうに笑った。そしてその賭けは、いつも「立っている」に賭けた人が勝つ。
取材がてら一緒に食事でも、と誘ったが、ルディはやんわり断った。「もういっぱいなんです」とお腹をさすり、差し入れの入った手押し車を指差す。
「僕は、ノードシュトラーセ・ファミリーの一員なんだ」と彼は言う。「この通りは、僕を受け入れてくれたんだよ」。数分おきに、ルディの言葉が正しいことが証明される。つまり、常連さんや友人たちが「ルディ、元気?」「時には休憩もとってよ」と、握手を交わしたり親しげに背中を叩きながら通り過ぎていくのだ。走るトラムから手を振る人もいるし、市外から彼に会うために訪れる人も...

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Text:Hans Peter Heinrich, fiftyfifty/INSP
(雑誌情報)
『fiftyfifty』
1冊の値段/2.4ユーロ、そのうち半分が販売者の収入に
発行頻度/月刊
販売場所/デュッセルドルフ (メイン写真クレジット)
Photo: Hans Peter Heinrich

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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