販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
スイス『サプライズ』 非常勤スタッフ タレク・イスラミ
家族、婚約者のいるスイスで国外退去命令 周囲から闘い続ける勇気と強さをもらい、 難民でなくなる日を目指す

もしも10年以上暮らしてきた国から出ていけと言われたら、あなたならどうするだろうか。2017年暮れ、『サプライズ』で非常勤スタッフとして働くタレク・イスラミの身に実際に起きた話だ。スイス当局から国外退去命令が出されたのである。
「私は生まれながらの難民であり、それはこれからも変わらない――。クリスマス直前に国外退去命令を受け取った時、僕はそう思いました」。スイスに暮らしてもう12年。社会保障は一切受けずに二つの仕事を掛け持ちし、友人もたくさんいるイスラミ。家族もここにいて、婚約者も同じ地域で育った人だ。「でも、当局は僕に出ていけと言う。納得できません。ドイツ語もちゃんと話せますし、この国にもうまく馴染んでいます。スイスはもう僕の故郷なのです」
生まれはイランで、アフガニスタン難民の両親をもつイスラミ。「イランではアフガニスタン人は二流市民とみなされ、自分で商売を始めることも車を運転すること...

(George Gindely, SURPRISE / www.INSP.ngo / 編集部)
『サプライズ(SURPRISE)』
●1冊の値段/6スイスフラン(そのうち2.7スイスフランが販売者の収入に)
●発行回数/月2回
●販売場所/バーゼル、ベルン、チューリッヒなど
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

339 号(2018/07/15発売)
特集夏、大人の自由研究
スペシャルインタビュー:スノウ・パトロール
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