販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『ビッグイシュー・オーストラリア』販売者 アラン・C
依存症から回復。服役を終え、ビッグイシュー販売へ 歌うと幸せな気持ちに ここ何年かはいい出来事が続いている

アラン・Cは『ビッグイシュー・オーストラリア』で、20年のキャリアをもつベテラン販売者。今はメルボルンの中心部、映画館や劇場が集まるバーク通りの500番地付近が彼の持ち場だ。
「私はウィラジュリ族の出なんだ(※)。ニューサウスウェールズ州フィッツロイのウィラジュリ・カントリーで生まれた。育ったのはメルボルン郊外のハイデルバーグ・ウェスト。そこはニューヨークのブロンクスみたいな下町だったよ」
そんなアランは10代の時、オーストラリア各地を巡る旅に出た。野宿をしながらの放浪だった。「大陸中央のアリス・スプリングスや北部のノーザン・テリトリーにも行ったし、西オーストラリア州、南オーストラリア州もぜんぶ回ったよ。4歳の頃から身体的・性的・精神的なさまざまな虐待を受けていたから、そうした問題から逃げ出して、自分の居場所を探そうとしていたんだ」
アルコール依存症は、アボリジニの人々を苦しめる深刻な社会...
(Anastasia Safioleas/The Big Issue Australia)
※先住民族アボリジニの一部族。南東部のニューサウスウェールズ州で最大のグループ。
『ビッグイシュー・オーストラリア』
●1冊の値段/7ドル(約600円)で、そのうち3.5ドルが販売者の収入に。
●販売回数/隔週
●販売場所/シドニー、メルボルンはじめ、全土の主要都市
(写真クレジット)
Photo:James Braund
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
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327 号(2018/01/15発売)
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