販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
セルビア、『LiceUlice』販売者 ミルコ・オンドリック
路上で出会った親友と一緒に雑誌を販売 夢は、小学校を卒業し写真学校に通うこと

筆者は以前、何年にもわたりベオグラード大学哲学部校舎の前で、ミルコというスロバキア出身の若者から『LiceUlice』誌を買っていた。ところが、ある日突然、彼は路上から姿を消した。その後『LiceUlice』誌にボランティアとしてかかわるようになった私は、先日、はにかみながらそのオフィスを訪れたミルコと2年ぶりに再会した。
再会して私がまず聞いたのは、この2年間どうしていたのかということ。彼はくわしくは話したがらず、雑誌販売を辞めた後はグリーティング・カードの販売をしたとだけ答えた。その後しばらくは、旧ユーゴスラビアの他の国々で働き、セルビア・ベオグラードに戻る前の数ヵ月は家族の住む村で父親と大家族の手伝いをしていたと言う。
ベオグラードに戻ったミルコはすぐに売り上げ上位者に名前を連ねるようになった。初日だけで40部を売ったのである。秘訣を尋ねるとミルコはすぐに破顔し、穏やかで丁寧な接...
(Anja Sinadinovic/ LiceUlice)
※ 5年前のミルコの記事が、ビッグイシュー・オンラインでお読みいただけます。
共和国広場、ミルコの販売場所付近
Photo: ColorMaker / Shutterstock.com
『LiceUlice』
●1冊の値段/100セルビアディナール(約110円)。そのうち50セルビアディナールが販売者の収入に
●販売回数/月刊
●販売場所/べオグラードとその周辺
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

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