販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

新春座談会【後編】

毎朝起きた時に幸せを感じる 今日も太陽を見られた 今日も生きててよかったって

新春座談会【後編】

後編の今回は、4人の販売者さんが
今年の夢や日々に感じる幸せを語ります。


鉄道クラブで琵琶湖一周
仕事にも張り合いが出た

―寒さ厳しい時期ですが、何か対策はしていますか。
柳原 外で寝ているから、寒いのは本当につらいですね。とにかく何枚も着込んで寝てます。アパートを借りるのは難しいとはいえ、せめて何人かで交代で泊まれる部屋があるといいんだけどなあ。
井上 僕と石井さんと柳原さんは今、同じ場所で寝てるんですよ。川の字ならぬコの字型で(笑)。その日あったこととか、相談ごととか、顔合わせるといろんな話をしますよ。でも、次の日も仕事があるから話をするのは30分ぐらいかな。寒くても、寝ないと身体がもたないからね。
柳原 そうだよね。あと、僕は食費だけはできるだけケチらず、好きなものを食べるようにしています。それが僕の楽しみでありストレス解消法でもあるかな。ちなみに大好物は豚の生姜焼き(笑)。
―今年、してみたいことや目標にしていることはなんですか。
石井 僕はビッグイシューの鉄道クラブに入っていて、去年は青春18きっぷで紀伊半島を一周したり、紅葉の時期に琵琶湖の周りを一周したりして、すごく楽しかったよ! 時々そうやって好きなことに費やせる時間があると、仕事にも、より張り合いが出てくる。今年もまたどこかに行くぞ~。
井上 「前編」でも公言して、あえて何度も言うけど、100万円貯めるのが目標。口に出して言ったほうががんばれる性格なので(笑)。あとはね、奈良に販売場所を開拓したように、次はまだ販売者が立ったことがない滋賀県でも販売してみたい。人が増えていて動きのあるエリアなので、挑戦してみたいなあ、と。

せめて8千円ぐらいで
部屋を借りられたら

柳原 僕は自己管理が苦手なんだけど、今年はきちんとした金銭感覚を身につけて、計画的にお金を貯めて部屋に入りたいですね。
石井 家賃分だけじゃなくて、ある程度余裕のある額を貯めておかないと、結局はすぐに家賃が払えなくなって、部屋を出ることになってしまう。そう考えると、それなりの貯金ができるまでは安易に入れないなあとも思うんですよね。
井上 家賃は安くても3万円はかかるからね。せめて8千円ぐらいで部屋を借りられたら、家賃を払いながら貯金もできるのに……。
井手 そうだよねえ……。僕の目標は、とにかく売り上げを倍にすること。ビデオボックスに泊まることが多いんだけど、1ヵ月泊まると結局家賃分ぐらいのお金がかかるんです。でも、販売場所の近くにはそれぐらいの家賃のアパートがないし、遠い場所に借りちゃうと、結局電車賃や時間がかかってしまう。なんとか今年は販売場所の近くに部屋を借りて、携帯電話も持ちたい。それができたら、僕の中では合格点ですね。そこから次のステップに挑戦していきたい。
柳原 僕は今、大阪のJR高槻駅前で販売しているんだけど、ここは前任者のYさんがとてもがんばっていた場所。Yさんの一日の売り上げの最高記録を抜くことも目標ですね。
井上 お、いいねえ!
―最後に、日々の中で感じる幸せや喜びを教えてください。
井上 僕はね、毎朝起きた時に幸せを感じるよ! 今日も太陽を見られた、今日も生きててよかったってね。前の日からの積み残しがある仕事じゃないから、毎日がゼロからのスタート。太陽を見て、よしっ、今日もがんばろうと思うんです。
柳原 前が見えなかった時期のことを思うと、今は先に光が見えてる。それだけでも、少しずつでも自立に向かっているという気がして幸せですね。
石井 お風呂が好きだから、仕事を終えて湯船につかっている時が一番ホッとする。今、行きつけの銭湯が4軒あるんだけどね、湯船の温度とかシャワーの使いやすさとか、その時の気分で銭湯を選んでます。12月の寒い時期、冬至の日の柚子湯は気持ちよかったなあ(笑)。
井手 一日一日、自分が変わってきていると感じられることかな。以前なら逃げていたことにチャレンジしているし、それがちょっとずつかたちになってきている。それを実感できることがうれしくて、毎日をがんばれているんだと思います。
―みなさん、ありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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