販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
スイス『サプライズ』販売者 マリセル・コルドゥネアヌ
治療費がかさんでドイツ語を学べず、立ちはだかる言葉の壁
一時滞在許可証が切れる前に定職を見つけたい
私はルーマニアの小さな村で、両親と12人のきょうだいと一緒に暮らしていました。子ども時代は、ニコラエ・チャウシェスクの共産党政権下にありました。チャウシェスクが西側諸国で独裁者とされているのは知っていますが、私たち多くの国民にとっては、よき時代でもありました。なぜなら、父は鉄道会社で働き、母は農場を手伝っていて、みんな何かしらの仕事に就くことができましたから。
家計を助けるために、子どもたちも学校に通いながら働きました。その頃は食べ物や衣服も買えて、将来の心配をする必要がなかったのです。
私は18歳で大型自動車の免許を取り、ルーマニア国内や東欧諸国を回る運送業者になりました。2018年にアイルランドへ渡り、22年にスイスへ来ました。ただ就労ビザの更新のため、3ヵ月ごとに故郷とスイスを行ったり来たりしましたが……。そしてある日、勤めていた運送会社から「ドイツ語が話せないから、これ以上は雇...
『Apropos』
1冊の値段/3ユーロ(そのうちの半分が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ザルツブルク
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

532 号(2026/08/01発売)
特集非戦・平和へ。集いと対話
特集:非戦・平和へ。集いと対話
スペシャルインタビュー:SUGIZO


