販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
スイス『サプライズ』販売者 ファルトゥン・アブカー
異国で7人の子どもを育てるシングルマザー
いつかソマリア料理のレストランを開くのが夢

私は東アフリカのソマリア生まれで42歳、2020年にスイス国籍を取得しました。『サプライズ』の販売を始めてから8年になります。おかげで、今はもう福祉サービスを受ける必要がなくなりました。普段は、スイス北部チューリッヒ州の緑豊かな村、バウマ、ヴァルト、エンブラハにあるスーパーや生協の前で雑誌販売をしています。
7人の子どもを育てるシングルマザーですが、子どもが大きくなるまでは本当に苦労しました。コロナ禍の影響のせいか、23年以降は雑誌の売れ行きが少し落ちていますが、その半面、子どもたちが職業訓練(※)に通うようになり、収入を得てくれるので助かります。それでも、何か大きな出費があった時にはやりくりが大変! 私も毎日、半日ほどしか働けませんから。
今年14歳になる一番下の息子はダウン症候群で、特別支援学校に通っています。たびたび学校から連絡が来ることもあるので、時間の融通が利く雑誌販売の仕事...

『Surprise』
1冊の値段/8スイスフラン(そのうちの3.70スイスフランが販売者の収入に)
発行頻度/隔週刊
販売場所/ベルン、バーゼル、チューリッヒ
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

508 号(2025/08/01発売)
特集ベーシックインカムの導入を考える
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