販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

米国『ストリート・センス』販売者 ニッキー・スミス

“支援の崖”というジレンマはあるが
アパート入居し、ピアスタッフ目指すプログラムを受講

米国『ストリート・センス』販売者 ニッキー・スミス

現在47歳のニッキーは、低所得世帯を対象とした家賃補助制度「住宅バウチャー」に申請して3年間待ち続け、昨年11月にようやく吉報が届いた。ほどなく彼女はワシントンDC近郊のタコマ地区へ引っ越し、ついにホームレス生活から脱することができた。
 緑と白を基調としたアパートの部屋には、ニッキーが自分で念入りに選んだ家具の数々が並ぶ。寝室にベッドの足元を照らすランプを置き、帰宅してリラックスするためのクッションや、来客用の寝具も1組そろえている。
「とってもきれいでしょう? ただ、これで路上生活の苦労が帳消しになるわけではないけれどね」
 実際に、この住宅バウチャーを取得するための道のりは、決して平坦ではなかった。通常は8ヵ月ほどで入居できるはずだが、数年も待たされる事例が相次いでいる。ニッキーの場合もソーシャルワーカーや住宅局員とのやりとりがかみ合わず、手続きが長引いた。
「物価が高騰している上に...

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『Street Sense』
1冊の値段/3ドル(全額が販売者の収入に)
発行頻度/隔週刊
販売場所/ワシントンD.C.とその郊外

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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