販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

ブラジル『トラソス』販売者  ミカエラ・ナザーリオ

父の放火で、シェルターに暮らした10代。
トランス女性として生きのび、いまビジネススクールへ

ブラジル『トラソス』販売者  ミカエラ・ナザーリオ

ミカエラ・ナザーリオは、ジュイス・デ・フォーラという街の中でも、特に貧困と暴力が蔓延する地域で生まれ育った。演劇や聖歌隊といった地域の文化活動に参加していたミカエラにとって子ども時代は楽しい思い出もたくさんあったが、10代の時に起きたある出来事がその後の人生を根底から揺るがした。
「もうすぐ17歳になろうという時、父が薬物を使用していることがわかったのです。その後、両親が離婚すると、父は家に火を放ちました。私たちから何もかも奪い去ったのです」
 火事の後、ミカエラ、母、3人のきょうだいはシェルターで1年を過ごした。その後、友人の厚意で住む場所を見つけることはできたが「母にとって、人生を立て直すのがいかに困難だったか。今ではよくわかります」とミカエラは振り返る。
 ミカエラは16歳の時、トランス女性としてカミングアウトした。用量や適量について知識がないままホルモン剤を摂取し始めたため、肥満な...

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『Traços』
1冊の値段/10レアル(そのうち7レアルが販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ブラジリア、リオデジャネイロ

Text:Leonardo Lichote, Revista Traços/INSP/編集部

Photo: Dani Dacorso

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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