販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『エチョ・エン・ブエノスアイレス』販売者 ルイス・フェルナンデス
現実に向き合うことができる雑誌販売の仕事
収入を得ることで成長し、一人立ちしたい

それは、2017年のこと。ルイス・フェルナンデスは仕事を失い、夢を追うためアルゼンチンの公立大学(学費は無料)でジャーナリズムを学んでいた。「ある日、教会に行く途中に母親が『エチョ・エン・ブエノスアイレス』誌の販売者を見つけて、雑誌を一冊買ってきてくれたんだ」
当時、ビルの管理人をしていた父と一緒に暮らしていたフェルナンデスだったが、さっそく同誌の事務所を訪ね、販売を始めた。1年ほど販売に従事した後、水処理会社の仕事が見つかり転職。だが、ほどなくして雑誌販売の仕事に戻り、首都ブエノスアイレスのアルマグロ地区とチャカリータ地区のロス・アンデス公園で販売を再開した。
現在35歳の彼は、雑誌販売で得た収入で日々の食料や生活必需品を賄っている。大学の授業がない今は「朝早く起きて販売場所に向かい、正午まで立つ。家でお昼休みをとって、時には散歩にも出るよ。そして売り場へ戻る道すがら、雑誌を販売する...

Text:Pablo Sáez, Hecho en Bs. As./INSP/編集部
Photo: Simone De Peak
『Hecho en Bs. As』
1冊の値段/200アルゼンチン・ペソ(そのうち140ペソが販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ブエノスアイレスとその近郊
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

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