販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
スイス『サプライズ』販売者 タオフィク・ナラト
就業のため、母国チュニジアから欧州へ
いま、母や3人の子どもに仕送りしながら充実の日々

2年ほど前から、販売場所を固定せずに『サプライズ』の販売に携わっています。その場所で誰も販売していないか、車を停めてチェックしてから販売するものですから、少し手間がかかりますね。それと、私は車椅子で生活をしていますので、障害のある人用のトイレが近くにあることも重要です。
スイスでは道も舗装されていますし、車椅子での外出が億劫だと感じたことはあまりありません。それにもし、車椅子で進めない場所で誰かの助けが得られなくても、私は足に装具を着ければ立ち上がったり、少しだけなら歩くことができます。
私は59歳でチュニジア出身ですが、生後6ヵ月の時にポリオに感染しました。足が曲がり、首の筋肉が固まってしまったため、2歳までに4回手術を受けました。手術によってだいぶよくなったので、当時最善の医療を受けさせてくれた母には心から感謝しています。
大人になって、チュニジアでは障害のある人がよい仕事に就く...


Photo: A Klaus Petrus
Text:Eva Mell, Surprise
『Surprise』
1冊の値段/6スイスフラン
(そのうち2.7スイスフランが販売者の収入に)
発行頻度/月2回
販売場所/バーゼル、ベルン、チューリッヒなど
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

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特集もう 自分電力
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