販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『ビッグイシュー・オーストラリア』販売者 ダリル
収入を得ることで取り戻した自分の尊厳
こだわりの帽子、お客さんから褒められるのがうれしい

僕は南オーストラリア州出身で、南東部の都市、緑豊かなマウントガンビア近くで育ちました。高校3年までそこで過ごしたのですが、学校はそんなに好きじゃありませんでしたね。放課後が楽しみで、リンゴ園やブドウ園で働いたり、ラジオのアナウンサーをしたりしていました。
家庭に恵まれていませんでした。両親は僕にあまり関心がなかったので、18歳になると祖父母を訪ねて家を出ました。でもそこも22歳の時には出なければならなかった。祖父母が亡くなったからです。それで、知人を頼ってメルボルンへと旅立ち、2001年の5月5日に到着しました。
メルボルンでは、テレマーケティングに携わったり、新聞配達や慈善団体の寄付集めもしました。ファストフード店でチキンを揚げたりしながら、専門学校で経営管理の資格を取ったのもその時ですね。
長らく失業中だった04年のこと。メルボルン近郊のフランクストンのアパートに住んでいました...
Text:Amy Hetherington, The Big Issue Australia/INSP
Photo: James Braund
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
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特集見えない世界と「ソーシャル・ビュー」
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