販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
セルビア『リツェウリツェ』販売者 スヴェトラナ・カリノフ
“社会に必要とされている”と感じられる販売の仕事
人生は美しいはず。新しいことに挑戦し続けたい

昨年、セルビアのストリート誌『リツェウリツェ』が私の住む街キキンダでも販売を始めると聞いた時、ぜひこの雑誌の販売者になりたいと思いました。まず何より、さまざまな話題を取り上げていて、雑誌自体がおもしろかったからです。だから今この雑誌を広めることに自分も貢献できていると思うと、とてもうれしいです。
私はこれまで仕事をしたことがありませんでした。小学校を卒業してからずっと家にいて、郵便局で働きたいと思ったこともありましたが、採用されませんでした。なので、通っているデイケアセンター(福祉施設)の活動に積極的に取り組み、料理をしたり、ワークショップに参加したり、農作業をしたりしてきました。
コロナ禍でも、人とのつながりを保つためにこうした活動は続けられました。でも、販売者として働くことと比べると少し物足りません。ロックダウンの時は街頭での販売を休止しなければならなかったのですが、何より仕事をして社...

Text:Anđelka Prvulović, Liceulice/INSP
Photo: Courtesy of Liceulice
* 雑誌名の「Liceulice」はセルビア語で「路上の顔」という意味。
(雑誌情報)
『Liceulice』
1冊の値段/200セルビア・ディナール、そのうち半分が販売者の収入に
発行頻度/月刊
販売場所/ベオグラードほか
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

396 号(2020/12/01発売)
特集クラウドファンディング、その先へ
スペシャルインタビュー:宮本 亞門
リレーインタビュー 私の分岐点:村田 沙耶香さん