販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
羽根寿生さん
大阪の中心でビッグイシューを叫ぶ。 ビッグイシューを卒業できる日が来たら家族に話をしに行きたい

「みんな、ココはいい売り場だって言うけど、立ってみると、とんでもなく大変。人が多すぎて、前からも後ろからも人が押し寄せるし、風が強くて雑誌は飛ばされるわ、目の前でペルー人が歌い出すわで、毎日、戦場にいるみたいだよ」
そう語るのは、4月から雑誌を販売する羽根寿生さん(43歳)。くだんの売り場は、JR大阪駅と阪急百貨店をつなぐ横断歩道のたもとで、足早に行き交う大阪人のせっかちさが最も如実に表れる名所としてマスコミでもたびたび取り上げられる大阪の中心地だ。周囲の喧騒に負けじと、販売時はできるだけ声を張ってビッグイシューの存在をアピールする。一日の終わりには声が枯れていることもしばしばだが、それでも思うように売り上げが上がらない時もあり、格闘の日々だという。
「勤め人だった頃は、ホームレスの人を見て気楽なもんやと思っていたけど、いざ自分がなってみたら、どこが気楽なもんか!と思う。食うのと寝るのが...

(写真キャプション)
JR大阪駅、阪急百貨店前にて
(写真クレジット)
Photos: 木下良洋
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

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