今月の人

オーストリア、『クプファーマクン』誌販売者ゾラン

母国セルビアでの兵役で精神的な病にかかり、働けなくなった。 世界が平和であることを願っている

オーストリア、『クプファーマクン』誌販売者ゾラン

ゾランには「夜明け」という意味があるが、早起きの彼にはまさにぴったりの名前だ。いつも朝8時きっかりに、ストリートペーパーの販売を始めている。
現在37歳のゾランは、セルビアの出身だ。しかし彼が6歳の時に、暴力を振るう父親から逃れるため、母親は2人の子どもを連れて、この街、すなわちオーストリア第3の都市リンツへと逃れてきた。母親が幼少時代をオーストリアで過ごしていたこともあり、家族全員がドイツ語を流暢に話せた。
「でも学校では外国人扱いされ、いじめに遭い、居心地はよくなかったよ」とゾランは話す。「太っていたから、“ぶさいく”と呼ばれてた。移住してきた子どもたちの多くは最終的に『Sonderchule』という特殊支援学校に行きつくことが多かった」
「学校を卒業すると、大工の見習いとして働き始めたが、落ちこぼれてしまった。それからは時々働く程度だった。18歳の時にはセルビアに戻って軍に入り、兵站...

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Photos: Heinz Zauner

『Kupfermuckn』
●1冊の値段/2ユーロ(約230円)、そのうち1ユーロが販売者の収入に
●販売回数/月刊
●販売場所/リンツ、ヴェルス、シュタイアなど

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

『今月の人』が掲載されている BIG ISSUE

BIGISSUE 300号

300 号(2016/12/01発売)

特集記憶の銀行

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