今月の人
ベオグラード『LiceUlice』誌販売者、ミルコさん
人生を生き抜くために大切なことは、「信じること」 写真家になる日を夢見る20歳、ロマの青年

クネズ・ミハイロヴァ通りで最も楽しそうな笑顔を探せば、それがミルコだ。この20歳の青年は、朝は笑顔とともに起き、一日中笑顔を絶やさない。おそらく夜寝ている間も笑っているに違いない。写真家になる夢を見ながら?。
ミルコの朝はいつも快調だ。出かける準備をすると、若いホームレスのためのドロップイン・センターに向かう。「カカやクルサ、ドラガナなどの先生たちや、友達のエミール・アミール、メティ、エルビラ、リュリエッタらに会えば、たちまち顔がほころぶんだ」。ミルコは彼らのことを、自分を支えてくれる家族と思っている。
ミルコはスロバキアで生まれた。小さい頃は本当に幸せだった。ロマの母親とともに祝った楽しいジュルジェヴダンのお祭りや、父親が歌ってくれたスロバキアのクリスマスを覚えている。「クリスマスイブには、近所の子どもたちと、家々を回って歌を歌うのが好きでした」と語る彼は、当時に戻ったようで、笑顔も後光...

『LiceUlice』
1冊の値段/100セルビアディナール(約92円)のうち、50セルビアディナール(約46円)が販売者の収入に。
販売回数/月1回刊。
発行部数/1回につき6千部。
販売場所/べオグラード、アヴィサド
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
『今月の人』が掲載されている BIG ISSUE

202 号(2012/11/01発売)
特集人々をホームレスにしない方法