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耳すます
耳をすましていますか?「音」は、私たちが意識するより、ずっと豊かに世界のありようを表し伝えている。「音を聞く」ことで、これまであなたに見えていた世界が奥行きを増し、知らなかった風景が立ち現われるかもしれない。そこで、3人の「耳をすますスペシャリストたち」に話を聞いた。4歳の時に失明した三宮麻由子さん(エッセイスト)は、スズメの鳴く声で時間や天気を聞き分け、山登りではセミの声で渓谷の深さを測るという。彼女が音を聞けるようになっていくプロセスや体験には、“聞くこと”の原点がある。中川真さん(大阪市立大学大学院教授)は、京都の梵鐘の音に「時を越える音」を聞き、現代の音を未来に伝えようと、「街の音のデジタルアーカイブ」をつくる。簾徹之さん(世界楽器てみる屋)は、風を受けて鳴る楽器「エオリアンハープ」をはじめ、誰もが簡単に楽しめる楽器を扱う。楽器を奏で音を楽しむことは、生きる戦略だと言う。
音に包まれる幸せ。 触れられないものでも、音のパノラマ像を結ぶ
─ 三宮 麻由子さん
「ホモ・オーディエンス」。 聞く行為の本質は、他者を受け入れること
─ 中川 真さん
誰でも演奏できる楽器がある。音楽を生きる戦略に
─ 簾 徹之さん
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