販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『ビッグイシュー台湾版』販売者 賴 漢威
車いす生活で不自由な身でも
目の前のことに専念すれば、いつか道は開ける

台中駅前の人混みをかき分けて、賴漢威はいつもの販売場所にたどり着いた。車いすからバッグを下ろし、『ビッグイシュー』の最新版やバックナンバーを積み上げるが、100冊分ほどもありそうだ。賴は毎日、この重さの雑誌を持ち運びしている。
積み上げた雑誌を1冊ずつ手に取り、地道に売り声を上げる。たまに特定のバックナンバーを所望するお客さんのために、さっとその号を取り出せるように、その準備にも余念がない。そして几帳面に、何号が何部売れたかをノートに記録する。
これまでラベル貼りやタイピスト、道路料金所の係員など、いろいろな仕事を渡り歩いてきた賴。彼が車いすを使うようになり、2013年に初めて在宅介護サービスを受けた際に、スタッフがビッグイシューのことを紹介してくれた。以来、今日まで販売を続けている。
「この仕事が、私には合っているようです。自由な時間に働けますから。他のことは自分でコントロールできな...

『Apropos』
1冊の値段/3ユーロ(そのうちの半分が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ザルツブルク
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

506 号(2025/07/01発売)
特集動物たちの力を借りる
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