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No.95

「発達障害」は個性にできる

学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、高機能広汎性発達障害などの「発達障害」について広く知られ始めたのは、ごく最近のことである。きっかけは、2003年、文部科学省の調査であった。この結果、通常学級の6.3%の子どもたちに「発達障害」のあることが明らかになった。そして、昨年、07年から、ようやく子どもたちへの特別支援教育が始まった。しかし、子ども時代に過酷な体験をしたまま、すでに大人になってしまった「発達障害」のある人々への理解と支援は、今もすすんでいない。人は誰一人として同じではない。だが、「発達障害」のある人々の生きづらさを周囲の人が知り理解することで、彼らの生きづらさを軽減することができる。また、ちょっと風変わりに見える彼らの感じ方や表現、コミュニケーションの苦手なところが個性であり、ときには創造性につながっていることがわかる。彼らの眼に見える社会を知ることで、私たちは今ある社会を見直すこともできる。今号では、「発達障害」への理解の最初の一歩として、独特の生きづらさを感じながら克服しようとし、同じ症状のある人の助けとなるよう自らの経験と見識を社会に発信しているLD、ADHD、アスペルガー症候群などの当事者の話を聞く 。

LDは「違いを学ぶ」ことで、こえられる。
「Learning Disabilities」から「Learning Differences」へ
― 上野一彦さんに聞く

ダメな自分を受け入れ、許してあげる。
まわりに助けを求め、助けを借りながら上手に暮らしていく。
― 袋居司さんから「ADHD」の人の生き方提案

幸せな生き方へ。まず長所、得意なことを伸ばす
― 自閉症者の可能性を開くために。森口奈緒美さんから社会へのメッセージ

TOP INTERVIEW

スペシャルインタビュー ジャック・ニコルソン
死というテーマをコミカルに描くのは危険、ユーモアを引き出すのは難しかったね。★ テレビの取材にはめったに応じないハリウッドの大御所、ジャック・ニコルソンが、新作映画『最高の人生の見つけ方』、俳優としての伝説的なキャリア、そして破天荒な人生について、皮肉をまじえて答えてくれた。
リレーインタビュー・私の分岐点ザ・プラン9 なだぎ武さん
ギラつき感が消えた時、自分の好きなものがつながるようになった

国際記事

ツリーシッター、森林伐採に反対して地上50メートルの樹上で座りこみ
北米ナニング・クリークの森、「ツリーヴィレッジ」から
もう俺たちの居場所がない
ボスニア系ハンバーガースタンド店主が語る、「コソボの今」
WORLD STREET NEWS 世界短信
*チリ、イラク戦争を逃れたパレスチナ難民を受け入れ
*奴隷制が続くニジェール政府、訴えられる
*米国、国防予算は気候変動問題関連予算の88倍
ノーンギシュの日々
マサイの犬の名前と子どもたち

国内記事

(世界アジア日本)
屋台
和樹と環のひきこもり社会論
軌道修正のお願い 斉藤 環
中島岳志の眼
乱高下する内閣支持率

BACKBEAT(映画・音楽)

ART
斉藤たまき

MUSIC
日本の唄の暗黒面を現代に蘇らせるカルト・ロック・バンド
― 犬神サーカス団、Angelique

クリエーターの視点
色鮮やかなマンゴーサイズの人形たち
― 人形作家 高橋昭子さん

コミック乱舞
孤独な宇宙人が書いたような、透明で乾いた叙情の世界
― 『20世紀少年』&『GUNSLINGER GIRL』

MOVIE
『マンデラの名もなき看守』

テレビうらおもて
「県民性」を決めつける危うさ

ひぐらし本暮らし
文明へのからかい、人生の残酷、皮肉をスマートに、ユーモラスに ―
星新一 『ボッコちゃん』

連載記事

ストリート・エコノミックス
電気屋対ハトタカ・ファンド ─ 外資の締め出しは敗北主義
世界の当事者になる
主人公になる方法 雨宮処凛
マムアンちゃん
ウイスット・ポンニミット
■ホームレス人生相談
なぜ結婚するのか、わかりません。近ごろ、親戚のおばさんやおじさんに早く結婚しろとせっつかれています。僕にとっては、最新のスキルが必要とされるウェブ業界で働いているので、今は自分自身への投資や時間が最優先。月10冊以上本を購入したり、この春から土日は学校へ通って勉強するのに忙しく、結婚して家庭を維持するためのお金や子育ての時間に費やすのが、惜しくてたまらない。自分以外にお金や時間を使うと、自分の成長が止まってしまいそうでイヤなんです。(会社員/27歳/男性)

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