コンセプトと編集方針

『ビッグイシュー日本版』は市民社会を創造していく、市民による市民メディア雑誌です。

『ビッグイシュー日本版』のコンセプト

誰もが排除されない、すべての人が生きやすい社会、特に若い世代が希望をもって生きられる社会を作るのに役立つ情報発信をします。

世界のストリートペーパー・ネットワークを生かした国際記事や、旬の映画や音楽、アートなどのエンターテイメントなど、硬軟、率直さと楽しさをあわせもつ、今を生きる市民の雑誌です。

『ビッグイシュー日本版』の編集方針

2003年の創刊当時から、まだ注目されず社会のエッジ(周縁)にあった社会問題を多く取り上げてきました。他のメディアでは扱われない、たとえば、若者の雇用問題、ひきこもり、自死などについて、当事者だけでなく誰にでもかかわる問題であり、ともに解決を考えることでより生きやすい社会を作っていきたいという願いをもって発信してきました。

創刊から10年以上経って、当時扱っていた問題の多くは広く社会に認知されるようになり、それぞれの課題を解決しようとするNPOや、ソーシャルな話題を扱うメディアも増えてきたように思います。
市民による社会の問題解決への機運が高まってきているなかで、現在の私たち『ビッグイシュー日本版』ならではの編集視点、切り口とは下記のようなものでありたいと考えています。

「生きていくのに本当に必要なもの」を研ぎ澄まして

社会問題、政治、環境・エコロジー問題、自由・人権、平和、国際事情などは、従来通り取り上げていきます。それに加え、特に人間が生きていくのに本当に必要なこと、知っていればいつか役に立つようなテーマも伝えていきたいと思います。それは、この地球で他の生物と共存していく術や作法、暮らしを自分の手に取り戻し生活を楽しくシンプルにする技術、自分らしい人生を創造する人たちのユニークな生き方、そして心に響くアートや芸術など、です。

「販売者の目線」という切り口

私たちビッグイシュー日本は、ホームレス状態である販売者との日々の語らいを通して、路上の目線から社会を見ることができます。住宅問題、ギャンブル障害(依存症)問題、労働と貧困にかかわる問題などは、そこからアプローチが始まりました。当事者が抱える問題は往々にして、社会構造によることも多々あると私たちは考えています。

読後に希望が持てる誌面に

とはいえ、どんな問題を取り上げたとして、読み終わった時に、読者が希望を持て、その問題やテーマ、活動に参加したくなるような誌面を作りたいと思っています。そういう意味では、参加型の雑誌を目指しています。すべての人、若い人がさらに生きやすくなる社会へのヒントを発信できる雑誌を目指します。

創刊の背景
国際ネットワーク
販売のしくみ