“ジレンマ”と共存し、のりこえたい
「ビッグイシュー日本版」創刊16周年のごあいさつ

9月、ビッグイシュー日本版は創刊16周年を迎えることができました。読者のあなたをはじめ多くのみなさまのお蔭です。本当にありがとうございます。
この16年間で842万冊を販売、12億7,630万円が販売者の収入になり、延べ1869人が登録、202人が卒業し、今も110人が12都道府県で仕事をしています。
ホームレスの人をなくすという目標をもつ「ビッグイシュー」ですが、「ジレンマ」を抱えています。この間、累計12万冊余の「路上脱出ガイド」（ＮＰＯ法人ビッグイシュー基金）も配り、他のNPOや行政の取り組みもあり、路上生活者は2万5296人から4555人へと8割ほど減りました。同時に、雑誌販売者は25％、雑誌売上冊数は4割減り、ここ数年会社は再び赤字になりました。これに対し、読者の多くの方から、ホームレス支援の成果を生かし、生活困窮者応援へと活動の巾を広げジレンマを乗りこえるべし、という声をもらっています。これに応え、定期購読（通信販売）の他、販売場所、販売者、価格のあり方も再検討したいと考えています。
そして、これからも独立した内容の濃い市民メディアとして、誰にでも仕事と居場所のある「もれなく、ありのままでいい“包摂社会”へ」、日々ジレンマと共存しながら社会の常識を変える作業を続けたい。変わらない応援を、心よりお願いします。